講演概要

 

ショートセッション

13:00~14:40 <8302>

神戸市のしつけ電話相談から見る 飼い主の悩みの動向と対応策

中塚圭子
    
 神戸市動物愛護推進員として、神戸市動物管理センターにて13年度から犬のしつけ電話相談を行ってきています。電話口で悩みをお聞きしたり、実際に来訪していただいて直接指導した件数は、平成18年度までの6年間で約530件に及んでいます。この530件の電話相談の内容を改めて分析してみると、相談内容の傾向や犬の問題行動の特徴、季節による相談数の変動などがわかってきました。
今回、この分析データをグラフを使って表示し、実際の飼い主のしつけに対する悩みの動向を知っていただきたいと思います。飼い主の悩みに対して適格なアドバイスができなるかどうかは、しつけ教室の経営にも左右すると考えます。そのうえで、解決に導くためにインストラクターとしてどのような方向性でアドバイスしているかをチャート等を使ってお伝えします。
   

身体障害者補助犬は特別な犬?~補助犬育成の展望と課題~

木村有希

 身体障害者補助犬と総称される視覚障碍者のサポートする盲導犬・聴覚障碍者のサポートをする聴導犬・肢体不自由者をサポートする介助犬。この犬たちはどうして特別なのか。どこが特別なのか。家庭犬とどう違うのか。スーパードッグなのか。このような観点から社会での犬の立場、育成に携わるものの立場、この業界に求められていることを日本社会の中で明らかにし、今後の育成への課題、可能性を検証していけないかと考えている。
社会からは“特別”な犬とされる身体障害者補助犬であるが補助犬が特別なのか、それとも家庭犬の社会での立場が“特別”低いのか。または活動(生活)の中心となる場所が違うからなのかを考え、日本の“犬”の環境、高齢化社会を迎えての補助犬の可能性を提案していき、補助犬業界での課題も考えていきたい。

 

犬の一生のうち、ほんの数ヶ月をください ~犬の幼稚園を卒園して楽しい成犬時代を~

和久麻里子

 犬の問題行動といわれるものの中で、社会化不足が原因で起こる行動は多いですが、社会化トレーニングやパピートレーニングは、時期・時間・環境がとても大切な条件でそれを提供できる場所が幼稚園です。犬の一生は長くはありません。その一生を楽しく幸せに過ごさせてあげるためには・・・産まれてからパピーの時期のほんの数ヶ月。私達と幼稚園で過ごさせてください。パピーの一日は数日にも該当するほど時間があっという間に駆け抜けていきます。その大切な一日を昨日とは違う今日、今日とは違う明日を見ながらするのが幼稚園でのトレーニングです。幼稚園での一日の流れ、時間の使い方などを含め犬の成長や飼い主の変化など幼稚園という施設の重要性を訴え、一般のしつけ教室などとの大きな違いや、幼稚園トレーニングならではの犬の変化・成長、はたまたトレーナーとしての気づきなどについてお話します。

 

しつけ方教室が子どもたちのためにできること

川原志津香

 犬の咬傷事故の被害者の多くは子どもたちで、身近な犬に咬まれていることが多いということです。子どもたちに悪気はなくても、手加減を知らず、犬たちのボディランゲージを理解せずに、犬を追い詰めてしまい、犬たちは最後の手段=噛み付くことを選択させてしまっているのです。  
犬に子どもたちとの正しい接し方を教え、子どもたちに犬との正しい接し方を教えるのは親たちの義務ですが、親自身が、犬との接し方を知らなかったり、犬を怖いと感じているときには、それができないこともあります。
 ドイツのアシャッフェンブルク犬学校では、地域の幼稚園・小学校に出向いて子どもたちに無償で犬との接し方を教えています。この様子をご紹介しながら、日本に暮らす私たちが、日本のしつけ方教室として、将来を担う子どもたちのためにできることを考えるきっかけとしたいと思っています。

 

日本のケーナインフリースタイルの歴史とこれからの可能性

畔柳美知子

 日本のケーナインフリースタイルは、日本国内での認知以上に、海外のフリースタイル世界から高く評価されています。フリースタイルは、目に見える華やかさ、楽しさ以上に、実際には、非常に高度なトレーニングを必要とするドッグスポーツです。フリースタイルで必要とする犬の行動は、犬の本能的な行動ではない事も多く、しかも、犬からの自発的な作業への参加を必要とします。ここでは、しばしば、positive reinforcingによるトレーニング法の成果を実感、実証でき、また、「罰」をともなうトレーニング方法の限界も顕著です。同時に、フリースタイルのトレーニングでは、単なる犬からの自発性を待つ事だけでは、必要な高度な技術を犬に教える事は困難で、ハンドラーからの、適格な強制力が非常に有効に働きます。
フリースタイルのトレーニングが、より良い犬と人とのコミュニケーションの構築に有効である事を説明し、このスポーツへの多くの参加を呼びかけたいと思います。

 

 

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