武内 ゆかり
10:00~12:00 / 13:00~13:50 <100周年記念ホール>
我が国では空前のペットブームと呼ばれる時代に入り, 2000年には1,300万頭のイヌと1,200万頭のネコが飼育されているという。両者をあわせた数はすでに日本の19歳以下の人口を凌ぐ勢いだが,人口比からすればまだ米国の半分であり,少子高齢化の進む我が国では,さらに増加することが予想されている。こうして多くの伴侶動物が飼育されながら,また我々の心身の健康に動物たちがいかにポジティブな影響をおよぼすかについての科学的根拠が累積されつつある一方で,問題行動を理由に安楽死処分される動物も少なくない。こうした現状に対応するべく,我が国の獣医学領域においても,問題行動を治療する「動物行動医療」が近年発展してきた。問題行動をもつ動物を救うために,そして飼い主たちの苦悩を軽減するためにも私たち動物行動医療に従事する獣医師の仕事に期待されるところは決して軽くはない。本講演では,動物行動医療の基礎とその実際,そしてそれを発展させるための研究について紹介したい。